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"KOOL" @ YELLOW

 約半年振りになるサトシトミイエの凱旋は毎年恒例のサトシトミイエのバースデーシーズン。今年は久々に東京だけでなく、名古屋や高松にまで足を伸ばすツアー的な感じになり、全国のハウスファン、トミイエファンの方々にとっては喜ばしい限りだったのではないでしょうか?
東京でも木村コウさんが西麻布の老舗クラブYELLOWにて10年超に渡り続けているパーティ"KOOL"でのゲストプレイに加え、新木場の巨大クラブageHaにてコウさんと並ぶ日本ハウス界の雄EMMAさんとの共演など、今回の帰国ギグも非常に楽しみな内容!

 ということでまずは11/24に行われた"KOOL"でのギグから。最近都合が悪くて実は久々のYELLOW、やっぱりここに来て思うのはその音の密度と丸さ。YELLOWの扉を開けて地下に降りるところあたりにさしかかると聞こえてくるそのキックの音に、何度来ても「ああ、今日もクラブに来たなあ〜」と実感するんだけれども、それはフロアに降りても同じこと。決して音の輪郭が曖昧だったりする訳ではないんだけど、すごく音の密度(なんて表現したらいいのかわかんないんだけど、隙間がない音=音の密度が高いということで)が高くて、かといって音が尖ってないからしんどくない。いや、さすが。さて、この日は結構早い時間にYELLOW入りしたんだけれども、前述した様にYELLOWの音がよい上結構フロントアクトのTELLYさんのプレイがよかったもんだから、結構気持ちよく踊ってしまう。

 そうやって漂っているうちにコウさんに交代。早速いつもの木村コウ節とも言うべきドライブ感溢れる選曲(といっても急激に変わった感はゼロ、あくまでも自然な流れ)で、フロアの雰囲気をそれとなく木村コウ色に染め上げる。YELLOWに来るのが久々ってことは"KOOL"に来るのも久々なんだけど、やっぱり木村コウ節は素晴らしいわ〜。「どちらかというとクラブに行くのは海外DJが来たときくらいかなー」という方も、是非一度コウさんのパーティに行ってみてください。玄人ほどハマる傾向があります(笑。

 コウさんがひとしきりフロアを盛り上げると、今度は少しエレクトロニックな曲調に移行、そしてサトシトミイエに交代。今日のセットは木村コウ×サトシトミイエで1.5時間×2回ずつとのことらしく、これはその一回目の交代。よく見るとサトシトミイエは本日PowerBookを持ち込んでのプレイ。「トミイエさんがPCDJに移行だなんて!いつの間に!!??」なんて驚いていると、どうやらトミイエさんも今日初めてクラブで使用してみるとのこと。結局音源がデジタルなんであればメディアはCDでもPCでも変わらんでしょってことらしいが、それは確かに仰る通り。さて、サトシトミイエが使っていたPCDJ用ソフトはUrei風ミキサーで有名なメーカーRANEの「Serato Scratch Live」というもの。
PCDJと言えばまず思いつくのはSashaで、彼が自分用に改造されたMIDIコントローラーでAbletonの「Live」をウリウリやっていたせいで「PCDJ=Live」という方程式が僕の中に出来上がっていたけれども、サトシトミイエはどうやら「Live」ではない様子。最初は「あー、CDも織り交ぜつつプレイしてるんだなー」と思ったけど、後から聞いた話によるとこの「Serato ScratchLive」はコントローラーをレコードにもCDにもできるらしいとのこと。要するにStantonの「Final Scratch」的な感じ。そりゃ「Live」じゃできないわ。つーか冷静に考えると「レコード→CD→PC」と、この数年でDJ用のメディアが大きく変わってしまったのがかなりのオドロキ。つい2、3年前まで「CDはレコードより音悪いから!」みたいな感じだったのに、今やもうCDを通り越して2010年くらいにはみんな外付けHDDだけもってDJに出かけるんだろうなあ。クラブにはPowerBookとミキサーとCDJが常設されててTechnicsは倉庫の中……みたいな。ガンバレ松下電器。

 おっと、ついPCDJの話に夢中になって音の話をおろそかにしてしまいました。そんなPCDJによってサトシトミイエのミックス、プレイはどう変わったのか!?結論から言えば「違和感なし」。いやー、今まで何度も記事に書いてるようにサトシトミイエのミックスで特筆すべきはその緻密さ円滑さ。例えば僕なんかがプレイするのとは大違いで、ミックス中にキックがズレたりすることがほとんどない。その上ミキサーはいつもと変わらずVESTAXのサトシトミイエ&木村コウモデル、選曲は当然変わらないとなれば、踊ってる側がPCDJかどうかの違いを感じる訳もなく。ということで僕はいつも通りキモチヨク踊れました。で、選曲はと言うと交代直後にSlok / LonelyChildのEric Prydz Remix?とでも表現したらいいのか??ってな曲でまず最初のヒトヤマ。このあたりの時間帯はどちらかというと攻撃的なキックでアグレッシブに組み立てる感じ。YELLOWならではの胃が揺さぶられる感じのキックがたまんねっす。

 つーかね、やっぱね、ミックスがすごくうまい。ピッチ合わせだけでなくタイミング、ボリュームコントロールすべて。久々に聞き惚れたミックス。最近家で聞く自分のミックスがヒドだけになおさらか(笑。さらにこちとら久々のクラブ(一ヶ月ぶりくらい)だし、今日も朝から仕事でくたびれてるし、「ただ遊んで踊るだけじゃなくてちゃんとレビュー書かなきゃー」ってな感じだけれども、そういう邪念を全部洗い流してくれるイメージ。踊れ楽しめ。そうこうする間にコウさんにまた交代。コウさんによる本日2度目のアグレッシブなプレイてフロアが盛り上がっている間、ラウンジではトミイエさんの○回目バースデーを祝って乾杯!おめでとうございまーす!!一方、フロアはコウさんのプレイでいつものKOOLに。いつもながら感心する淡々としつつも飽きさせないミックスで、普通のパーティが終わる時間になっても全然そんな気配を感じさせず。結構いい時間なのに人の数も減らぬまま、本日二度目のサトシトミイエセットに突入。コウさんと交代しても違和感はないんだが、とはいえ明らかにDJが変わったことによる「フロアの空気の変化」が新鮮でもあり。二度目のトミイエさんのセットは、テンポは維持しつつもメロディアスな方向に移行した好セット。またまだ残っているお客さんの要望にぴったりな感じ。少なくとも僕にはぴったり。といいつつも気付くとアグレッシブなトラックの連続で、「フロアには好きな人だけ」的時間になってもその勢いは衰えず、最後はミニマルなトラックで締め。アンコールでもエレクトロニックなトラックをプレイしつつ、二度目のアンコールで登場したのはSatoshiTomiie / Scandal In New YorkのAudiofly Xによるリミックス!こちらは近々リリースされるSAWのunreleased remix集に収録!最後はストリングスの美しいビートレスな一曲プレイし、本日はこれにて終了。


"Double Trouble" @ ageHa

 翌月12/16は"Double Trouble" @ ageHa。実はこのパーティ、サトシトミイエが出演するのはこれで2度目。前回は2年前の年明け早々になんとSteve Lawlerと共演!というなんともゴージャスなブッキング。そして今回は、なんとageHaのオープニングレセプション以来の顔合わせとなるEMMAさんとのプレイ!

 

 この日のタイムテーブルは、どうやら前半トミイエさん、後半EMMAさんという順番の模様。いや、これ、大正解です。というのも、自他共に認める?サトシトミイエオタクである僕が推奨する時間帯は、ピークタイムでもエンディングでもなく実はビルドアップの時間帯。そのダークでディープでメローでセクシーなミックス&セレクションは、確かに「ガシガシ踊る」感じではないし「みんなで騒ぐ」感じではないですが、確実にそのストイックな美しさに陶酔できること請け合い。つーわけで今回は11月のYELLOWとはまた違った意味で僕にはヨダレ対象。

 前回のYELLOWに引き続き、今回も結構早めにageHa入りしてしまった僕は、まだ開いていないメインフロアの前でしばしの待機。しばらくするとメインフロア開放!と同時にバーで痺れをきらしていた人々がどっとメインフロアになだれ込む。フロアに入ると真正面にDJブース、そこにはサトシトミイエと本日もPowerBook背面のアップルマークが煌煌と。最初は少しエレクトロニックなシンセで味付けされた曲で始まったんだけれども、やはりageHaの音はYELLOWとはまた違う良さがあっていい感じ。アンダーグラウンドなYELLOWの音に対してageHaの音はとても輪郭がはっきりしていて華やかな音。天井の高さとかフロアの雰囲気ってのももちろんあると思うけど、「どこに何の音があるか」ってのが手に取る様にわかるイメージ。さらにフロア全体が青い光で包まれていて、サトシトミイエの紡ぎ出す音と素晴らしくマッチしていてめちゃめちゃ心地よい。正直必死にケータイでパーティレポートをメモってる場合じゃない(笑。

 繰り返すようですが、本当にこういう時間帯のサトシトミイエは最高です。流麗なパッドシンセにグルーブ感溢れるベースライン、さらに覚醒的なSEと、この時点で既に泣きそうになるくらいよい。そんな風に涙腺がキワドイ状態になっているところに、Tracey Thorn “It's All True “(Martin Buttrich Remix) が早々にかかり、「やば、この曲絶対買うわ」と思いつつ溶け踊る。しかもageHaのフロアって広くてゆらゆらしやすいから一層キモチイイんだよな〜。そうこうするうちに最近大好きなSpirit Catcher / SweatDealが!!!この曲、ベースラインが入ってくる瞬間がほんと死にそうなくらい素晴らしい。フロアはどうなっているかはともかく、僕は比較的好いているフロア後方部で半狂乱に。やっぱりまだまだSpiritCatcher最高〜!!

 
 

 さてさて、そんな踊り狂い溶ける僕をよそに、フロアのテンションは徐々に右肩上がりに。ゆるやかな雰囲気は維持しつつも、爆発くてうずうずしてるオーディエンスの心をトライバルなトラックで徐々に掴みつつ。このあたりからサトシトミイエお得意のダークの方向に傾斜。トリッピーなメロディ&シンセのディレイが印象的なテックハウスからAme / Rej的なトラックへ。(Hector Romeroのプレイチャートにも入ってたAbyss / Mind Gamesかな??) 一方で再びageHaの音に酔いしれる。ageHaの音がよいのはサウンドシステムのお陰ももちろんなんだけれども、個人的にはフロアの広さもかなり影響してるんではないかと最近思う。それが特に感じられるのはキックとハットだけしか鳴っていない瞬間で、広さのせいか自然とほどよいリバーブがかかってる気が。そのリバーブのかかり具合がたまらん感じなのです。ただ難点はスピーカーがフロアに近い距離にあるせいで、左右&上下の音がバランスよく聞こえる場所がとても少ないこと。フロアのど真ん中からちょっとでも右にズレたとこで踊ると右の音が、左にズレたとこで踊ると左の音が相対的に大きくなって、A型の僕としてはなんか気になってしまう。まあそれはWOMBとかもそうかもしれないけど。

 開始二時間くらい経つとだいぶテンポも早くなる、と思ってるとAme / Rejの謎リミックスが!さっきは「Rejっぽい曲」だったけど、こっちは正真正銘のRej。RejのリミックスはオフィシャルにはPasta BoysとA Hundred Birdsのがリリースされているけど、この時かかったバージョンは輪郭のはっきりしたリズムトラックが他のリミックスより一層踊りやすい感じで素晴らしくアガる。(Rejdisko-(demi's love song epic) 、Demiのリエディット)そこからエレクトロニックなテックハウスをはさんで、Satoshi Tomiie / Scandal In New YorkのAudiofly Xによるリミックスをここで投下!!これってそんな起伏の激しい曲ではないけど、Uta Dareのボイスサンプルを活かしつついつのまにかオーディエンスをハメてしまう好リミックス。いや、ほんと早くリリースされないかな、コレ。その後はまた少しダークなところに落ちてから、フィルターのかかったシンセが展開していく曲でフロアをガッツンガッツンにあげる。YELLOWの時もそうですが、最近パーティーレポートの後半がグダグダになるのはもはや僕がレポートなんて気にもせず踊り狂うからです(笑。申し訳ない。さらに変則的なとライバルトラックで畳み掛けた後、最後はディープなテックトラックでちょっと空気を落ち着かせ、YELLOWの最後でもかかった壮大なシンセリフが感動的な曲をディレイ&フェードアウトさせてEMMAさんに交代。

 いやー、今回のレポートはちょっと長くてスミマセン。でもね、今回の2ギグも両方素晴らしく、しかもその素晴らしさがそれぞれ違うのでついつい長くなっちゃうのです。でもまたまたスミマセン、もうちょっと続きます。実はageHaでのギグの後、12/20にも渋谷のSeco Loungeでまたまたギグがありました。ここはもともと東急東横線のガード下にあったSeco Barが場所を移したお店で、Loungeという名の通りアットホームな雰囲気が好ましいお店。と、言いつつスピーカーからはしっかり音が出ていたりして、踊るにも十分な感じ。この日のトミイエさんのセットはラウンジってこともあってES-B的な曲が中心、と思いきやBorder Community的なテックハウス(後で聞いてみたらやっぱりBorder Community)やらDJYellow(ってこの人昔ディープハウスじゃなかったっけ??)のめちゃめちゃカッコいいエレクトロニックなトラックとか、SAWからリリース予定のOpus Ink / DarkroombootのSasseRemixとか、さらにThom Yorke / The EraserのSatoshi TomiieRemixとか!!が次々かかってスーツ着ながらまたも半狂乱。最近ホントスーツで踊り慣れてきました(笑。とはいえ残念ながら翌日朝から仕事ということもあり、この日は途中で退散。

 というわけで最近ことさら素晴らしく感じられるサトシトミイエのプレイ、昔からファンでしたが最近再びファンになり直したと言っても過言ではありません。ほんとに。2007年のツアースケジュールではまたいつ帰国するのか未定ですが、帰国したら是非一度、もしくは二度、三度、そのプレイを堪能してみてください!

 
Text:YOU YABE
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Renaissance presents 3D: Satoshi Tomiie Renaissance presents 3D: Satoshi Tomiie
Renaissance presents 3D: Satoshi Tomiie
Renaissance Satoshi Tomiie Renaissance Satoshi Tomiie
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