待ちに待ったSAW.RECORDINGSの新しいMIX CD、"Undulation 2"がついにリリースされました!今回ミックスを担当したのは、すでにSAWに限らず様々なレーベルからテックなトラックをリリースしまくっているAudiofly。SAWからはAudiofly X名義でStolen Goods/Mind Goes Blankをリリースし、サトシトミイエも大のお気に入りのこの二人によるMIX CDはやはりSAW!な素晴らしい1枚です!
1曲目にはSebastian Roya / Compressionを持ってきて、まずはテック&トライバルな雰囲気からスタート。"Undulation"ってことで先入観を持ってるせいかもしれないんだけど、このへんがMVとかFurther Thoughtsとか当たり(要はカタログナンバー10番台半ば)のSAWの雰囲気にすごく近いような気がして期待感増幅。そこから2曲目のMartin Buttrich / Well Doneでちょっと深め暗めなところへ潜る。びっくりなのはこのダークな曲がFour:Twentyからのリリースってとこ。これってTimo Maasのレーベルじゃなかったっけ??それがこんなダークなテックトラックを??あ、間違ってたらごめんなさい。
3曲目のKaliber 4 / A1になるとちょっと浮上してきた感覚。ローファイな感じが心地よいシンセを中心にベースやリズムトラックが暴れまくる、シリアスなんだがかなりテンションは上の方。その次に待ち受けるのはAudiofly X / Get Lost。これがスゴいスゴいカッコいい!!テイストはめちゃめちゃSAWなのにSAWからのリリースじゃないのが正直とても悔しい。シンセの音がすごいあったかいのにどことなく切ない感じのこの曲は"Get Lost"というタイトル通り寒空の下で聞くといい気分に浸れそう。勝手なイメージだけど、このCDってなんか冬の雰囲気だな。
そんな切ない気分を通り越した後はA Vivanco / Maison Doireeのクリック感溢れるトラックで少々お口直しを。最近のクリックハウスって結構好きなんだけど、一歩間違えると昔大嫌いだったRichie Hawtin系ミニマルテクノにいっちゃいそうでなんか危なっかしいイメージ(笑。でも最近はこういう「音の隙間」が心地よい。その次にくるのはMicrodinamic / Thunder。"Thunder"というタイトル通りちょっとトンガったシンセ音が印象的なトラックなんだけれども、不思議なのがこのシンセ。なんかトンガってるのに不快じゃないっていうか耳がイタくならなそうというか。この段階でのこのCDの印象を一言で表すならば"comfortable"。音色も早さも展開もどれをとっても心地よい。
というわけで心地よいのはミックスも然り。6曲目のThunderから7曲目のLayo & Bushwacka! / Less Is Moreへの流れはまるで1曲を聞いているかの様。ってそんなこと言い出したらこのCD全体がまるで1曲みたいなんだけれども。そんなLess Is Moreのスキャットを心地よく聞いていると8曲目でまたもAudiofly X / Cold Light Of Day。思うに彼らの曲には2拍で繰り返されるフレーズが多く、さらに音色もカタい感じの音が多いから非常にテクノ的な作りに思えるんだけど、でも全体を聞くとハウスにしか聞こえないのがとても不思議。でも好き。
さて、最近トミイエさんのプレイを聞いてもほとんどの曲名がわからない僕ですが、こういう新しくリリースされるMIX CDも同様です。昔のJunior VasquezのMIX CDとかだったら「あー、これこれ」的な感じがあったんだけれどもねえ。とはいえ、そんな僕でも知ってる曲が大体1曲くらいは入っていたりするものですが、それがこのX-Press 2 / Kill 100 (Radio Slave Mix)。この曲はなんと言ってもCarl Craigの変態感に満ち溢れたリミックスが有名ですが(僕もスゴい好き)、ここではRadio Slave Mixを採用。くらーい感じはCarl Craig Remixに似ている気もしますが、Carl Craigのそれよりもバランスのとれたリズムトラック(笑)がDJにとっては使い易そうでとても魅力。
いつもMIX CDを聞いていて思うのは、「中盤でボーカル物使った後ってどうすんだろ?」っていう疑問。いや、単純に僕の中での公式が「ボーカル物→きれい→最後」ってなってるからなんですけど。Audioflyの場合は、Stan Lebowsky / Reducer 02で再びテンションの高めなトラックに戻します。しかししかし問題は、その次11曲目のStefan Bodzin / Cucuma!!もはやどこの国の人か、どういう意味のタイトルかも推し量りかねますが、この浮遊感溢れるシンセの海は素晴らしすぎます!あー多幸感。
そして12曲目のSleeper Thief / Freefallもこれまた素晴らしい。例えるならば毎日に同じ日の繰り返しで気が狂いそうになってくるんだけれどもある日空を見上げたら雲一つないきれいな空がそこにはあって心が洗われるんだが視線を落とすとそこはやっぱり普段通りでまたいつもの暮らしに戻って行くような感じ。タイトルの"Freefall"からは想像もつきませんな。その後最後を飾るのがRekleiner / Real Time。最後の最後で要所要所で利かせるリバーブがとても心地よいテックハウスを持ってきて、心地よいMIX CDを心地よく締めます。
というわけで「心地よいが、しかし踊れる」不思議なMIX CD "Undulation 2"、Satoshi Tomiie & Hector Romero以外が担当したにもかかわらず、しっかりSAWのビジョンを示した一枚です。これ、ほんと、必聴!! |